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歯科医療の分野では「歯と健康」に関する研究や啓蒙が盛んに行われています。単にムシ歯が痛くなったので歯医者さんで治療してもらう。というように歯やお口の働きを単に体の一部の問題と考えるのではなく、もっと全身的に、また長い視点をもって歯やお口の中のことを考えてみましょう。ということです。例えば、最近は歯周病と心臓疾患や妊娠への悪影響、またお口の中の不潔な状態とお年寄りの肺炎(お年寄りの死因は肺炎によるものが多いのですが、その原因として、歯や歯肉に付く歯の汚れの中にある細菌が肺の中に誤って飲み込まれ肺炎を起こすケースが非常に多いことが分かってきました。)すなわち、ムシ歯や歯周病は細菌の感染により起こる疾患であるため、この感染とそれに伴う炎症をコントロールすれば、様々な全身的疾患を防ぎ、カラダが健康になるという考え方です。
それでは「歯並び」や「咬み合せ」と「健康」の関係はどうなのでしょうか?歯並びは細菌による感染症ではありませんから、他の臓器に直接影響を与えるということはちょっと考えにくいですね。また、歯並び咬み合せが悪いことにより全身的な様々な問題を引き起こす。といったことをいう歯医者さんもいますが、これは厳密な意味での“医学的根拠”に基づいた証明は未だなされておりません。(もちろん直接、間接的に幾つかの疾患に関する関連性はありうると思いますが、世界中の大多数の歯医者さんが認め、その因果関係や治療法への適応、さらには大規模なキチンとした疫学的研究は未だなされていません。)
それではちょっと見方を変えて、まず“健康”とはどういう状態をいうのでしょうか?健康とは病気ではない状態をいうのでしょうか?また、健康とは肉体的問題であって、精神的、社会的な健康と関係ないのでしょう?例えば次のような健康に対する考え方はどうでしょうか?「健康とはもちろん肉体的、精神的に病気がないか、あるいは日常生活に問題がないように良好にコントロールされており、また周りの人々や社会から“健康”に見えること、そして、そう見られることによって自分自身に自信が持て、気分が良くなり楽しく過ごせる状態。」すなわち、単に肉体的、精神的に良い状態というばかりでなく、実際に健康に見えて、それで自分が、また周りの人たちが気持ちよくなる。と言うことが大切だという考え方です。
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